肝斑に対するピコトーニングの有用性についいての論文のご紹介です。

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皆様、明けましておめでとうございます。

年末に自分へのご褒美でフリマアプリで買ったアクセサリーが偽物だったためショック過ぎて、年始は猫のように実家のコタツで丸くなってた橋本です。

今回は日本美容皮膚科学会誌に「肝斑に対するレーザートーニングの有用性」の記事があったので紹介させていただきます。

肝斑の簡単なおさらいです。

肝斑とは

肝斑は、眼瞼を避けて両頬を中心としてできる境界不明瞭な色素斑です。

紫外線暴露、女性ホルモンがその発祥要因および増悪因子となります。

欧米では臨床像を顔面中央部、頬骨部、下顎骨部の3型に分類されます。

概ね30~40歳代に発症し、さらに高齢者にはほとんど見られないことから、まず年齢でその可能性を判別できます。

また、女性ホルモンのバランスに関わるシミなので、妊娠やピルの服用により発症もしくは悪化することがあり、肝斑診断のひとつの参考となります。

肝斑の治療とは

基本的に肝斑の治療は内服とレーザートーニングの2本柱で治療を行います。

メラノサイトに対するサイトカインなどの刺激を減弱させるトランサミン内服。

メラニン産生抑制、抗酸化剤としてビタミンC、ビタミンE内服の3種類の内服薬がとても効果的です。

当院ですと、肝斑内服セット1か月分で5000円(税別)となります。

当院ではこれらの保存療法を行いメラノサイトの過剰刺激の環境を沈静化しながらピコレーザートーニングを行います。

今回の日本美容外科学会の論文

要旨:肝斑に対するQスイッチNd:YAGレーザーを低出力で繰り返し照射するレーザートーニング(以下,LT)

の有用性を検証する目的で、トランサミンなどの内服併用治療を禁止し、照射条件を統一して2週間ごとに6回照射を1クールとする試験を行った。

検討した21例におけるLT照射1クール治療終了時の成績と24週の経過観察の結果を報告する。

LTの1クール治療によりスキントーン・カラースケールによる明度、MASIスコアは有意な改善が認められ、医師による改善判定では、やや改善以上で61.9%であった。

悪化例はなかった。患者のアンケート評価では、肌のトーンが明るくなったと70%が回答し、55%が治療に満足した。

副作用は1例で丘疹を認めたが経過観察で治療した。

24週間ごの再燃率は、38.5%(再燃5例/フォーローアップ試験移行患者13例)であった。

今回の試験により、標準的照射法によりLT単独治療での肝斑に対する有効性と安全性が確認できた。

今回の日本美容外科学会の論文をまとめると

院長イラスト

①肝斑の基本的な治療法は内服薬とレーザートーニングだが、レーザートーニング単独でもある程度、良い結果がでた。

②2か月、レーザートーニング、内服薬の両方を中断すると約4割は再発する。

③副作用は1例で丘疹を認めたが経過観察で治療した。

です。

やっぱり肝斑は治療可能ですが、必ず定期的なメンテナンス必要とのことですね!

些細なことでもお気軽にご相談ください。

当院のHPはこちらです。