女性がアンチエイジングをする理由 静岡 橋本クリニック
昔から美貌や若さを追求するのが女性の常で、一方、男性は美貌や若さに無頓着なことが多いです。
今回はこの理由を考えてみたいと思います。
大勢の女性が若さを保つ努力をしていて、それが大きな産業になっていますね。
では、なぜ女性は若くみられたいのか。
美容外科に来られるお客様もほとんどが女性です。
女性にとって美しさとして取り上げられる形質のほとんどは若さの指標でもあり、この指標を下げる本当の理由とは何なんでしょうか?
また、そんな女性達と相反し、年を重ねるほど魅力的になる男性との相違点はなんなのでしょうか?
女性の若さと性的魅力
女性の若さを性的魅力と感じることは、単なる概念なのではなく、生物の進化で作られた基盤があるのか考えてみます。
女性は寿命が長いにも関わらず、哺乳類としては短い繁殖期間しかありません。
そのため男性は女性の若さに注目し、若い配偶者を獲得しなければならず、女性にとっては自分を若く見せて配偶者としての価値を上げるのに有利に働きます。
人類の進化において、古代の人々は個々の年齢は誰も知らず、男性は繁殖可能な女性を配偶者として見つけるのには外見から推測していたかもしれません。
つまり、女性の外見の若さは繁殖戦略において重要な要素となります。
ヒトの性的魅力として、どのような形質が取り上げられるかは、時代や文化によって変化し得ます。
しかし、「若さ」は女性の若さを魅力とすることはどの文化でも見られており、かなり生物学的に組み込まれた進化の産物であると考えられます。
女性の繁殖可能な期間
まず女性の若さと魅力を考えると、図1の霊長類の雌(めす)の加齢パターンをみてみます。
ヒトは極めて特徴的なのが分かります。
ヒトは成長速度が遅く、寿命が長いにも関わらず、女性の繁殖可能な期間が非常に短いのです。
上の図のように、ヒト以外の霊長類の雌(めす)は寿命が尽きるまで繁殖が可能であり、繁殖終了と寿命がほどんど一致しています。
また、ヒトはチンパンジーと比較すると寿命は何十年も伸びているのに、繁殖終了年齢はほとんど変わっていません。
ヒトの雌(めす)が高い繁殖力を持っている時期は、長い一生の中で限られた期間でしかない事がわかります。
男性の繁殖可能な期間
上の表を見ると加齢によって精子数、精液量、精子運動量と徐々には減少してはいるものの、男性としての繁殖能力はあると言えます。
精巣は、生涯にわたって精子を作り続けることができますが、精子が作られる量は加齢によって減少していきます。
そのためまったく精子が作られなくなることはありません。
射精する機会が減少しても、尿から少しづつ排出されています。
排出されることによって、新たな精子が作りだされるので、睾丸を摘出しない限りは繁殖能力を持ち続けます。
したがって、ヒトの雄(おす)は寿命が尽きるまで繁殖が可能であり、繁殖終了と寿命がほどんど一致しています。
女性が男性に魅力を感じるのは?
現代の男性と女性は、それぞれ相手のどこに魅力を感じるのでしょうか。
人類がこの世に誕生してから、女性が子供を妊娠して育てる間、女性や子供を守り、食べ物を確保して、安全な生活を守ってくれる強くて健康な男性が好みでした。
現代の女性たちはそれだけでは満足せず、高収入や高学歴、感情の面でもときめいたり、性的な魅力を感じたり、愛情欲求を満たしてくれることも条件に付け加えています。
清潔感・さわやかさ・ファッション・髪型・表情など男らしい容姿や、何気ない言葉や行動で愛情を表現されると女性は男性に魅力を感じます。
男性が女性に魅力を感じるのは?
男性は昔と変わらず、女性への魅力は知性や財産よりも、やはり容姿・外見(顔とスタイル)なのです。
男性が女性の知性や教養より見た目を重視するのは、頭で考えるより目で見るほうが得意だからです。
従って、男性の関心を引き寄せるには、やはり第一印象の外見がものを言います。
男性にとって、次世代に自分の遺伝子をうまく伝えられるかどうかが、生物学的なレベルで女性に魅力を感じる決め手になります。
外見的に魅力を感じ、健康であれば生殖に相応しい相手と脳は解釈します。つまり、裏を返せば関係をもちたい女性と言う事なのです。
男性は性格を知らなくても、見た目が美しければ恋に落ちる傾向が強く、「ひとめぼれ」しやすいというわけです。
まとめ
生物学的にみて女性は繁殖終了と寿命がほどんど一致せず、寿命が長いので年を重ねても若く見せたい・見られたいと思う気持ちが本能的に強くなる傾向にあります。
一方、男性は繁殖能力が加齢によって衰えはあるものの、一生涯続くことから女性のようにアンチエイジングをすることに対して無頓着な傾向が強いと言えます。
そのため女性は若く・美しくあるために色んな方法を用いて魅力が見出されることで美容産業が発展しているし、必ず今後も続くものとなるでしょう。
参考1)アンチ・エイジング医学ー日本抗加齢医学雑誌 2014 Vol.10 No.6 p023-p024
些細なことでもお気軽にご相談ください。
橋本健太郎