ニキビ跡治療にサブシジョンは必要か?

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皆様こんにちは!

今回は最近当院で力を入れているニキビ跡治療についてです。

ニキビは多くの人にとって一過性のものですが、その後に残るニキビ跡は一生の悩みの種となります。

ニキビ跡は盛り上がったニキビ跡(肥厚性瘢痕、線維丘疹症、脂腺増殖症)と凹凸のニキビ跡がありますが、

今回のニキビ跡治療はは凹凸ニキビ跡の治療を説明しております。

当院ではニキビ跡治療を『ピコフラクセル』や『ダーマペン深め』を用いて数多くの方に施術させていただきました。

このピコフラクセルやダーマペンは人間が持っている自然な創傷治癒効果を引き出すことによってニキビ跡を改善する治療です。

それぞれエビデンスもあり確立された良い治療法なのですが、重度ニキビ跡を改善するには時間や回数がかなり必要でした。

また重度ニキビ跡は皮膚深層が破壊され瘢痕化して陥没しているケースが多々あり、創傷治癒効果を引き出す治療では限界があると考えていました。

そこで近年発表されたサブシジョン(皮膚深層の瘢痕化を剥離し解除する方法)を昨年から当院でも取り入れ、だいぶ良い結果が出るようになったので皆様と共有したいと感じ今回のブログとなりました。

サブシジョンはすべてのニキビ跡に有効な治療ではなく適応をしっかり見極め、慎重に行う必要があります。

またサブシジョンは上記ニキビ跡治療(ピコフラクセル、ダーマペン)よりダウンタイムが長く、炎症性の色素沈着などの発生リスクもあります。

なので今回はニキビ跡が出来る原因とサブシジョンの解説を行いたい思います。

ニキビ跡ができるメカニズム

  1. 皮脂線に角質などが詰まり、その溜まりに皮膚常在菌が増殖し炎症がおこります。(ニキビ形成)
  2. その後ニキビが増大し大きさが真皮層に達します。
  3. そのニキビが内圧を保てなくなり破裂します。
  4. 破裂した炎症が真皮層に達し真皮層が損傷されると凹凸が生じるます。(人間は真皮層の損傷を完全に修復出来ないため)

ニキビ跡の種類

  1. アイスピック型
    • アイスピック瘢痕は、非常に深くて狭い穴が皮膚にできるニキビ跡です。穴の周囲の皮膚は比較的平坦ですが、穴自体は非常に狭く深いのが特徴です。
  2. ローリング型
    • ローリング瘢痕は、皮膚の表面が波状になっている凹凸です。このタイプの瘢痕は、広い範囲の皮膚に広がり、皮膚の下の結合組織が不均一になることによって形成されます。この結合組織の不均一性によって、皮膚の表面が波状になり、ローリング瘢痕が形成されます。
  3. ボックス型
    • ボックスカー瘢痕は、広くて平らな底部を持つ広い凹凸です。皮膚の表面に角があり、箱のような形状をしているため、ボックスカーと呼ばれます。

ニキビ跡の治療の種類

①ピコフラクセル

フラクショナルレーザーには、皮膚の表面にダメージを作るCO2フラクショナルレーザーのような「アブレーティブフラクショナルレーザー」と、表面にはダメージを作らない「ノンアブレーティブフラクショナルレーザー」の2タイプあります。

ピコフラクセルはほとんどが「ノンアブレーティブフラクショナル」です。

ノンアブレーティブフラクショナルのほうが、アブレーティブフラクショナルに比べ、治療後の赤みやダウンタイムがより少なく、色素沈着などの副作用が生じにくいのが特徴です。

色素沈着をきたしやすいアジア人の肌再生には、ノンアブレーティブのフラクセルが適しています。

ピコフラクセルのメカニズム

  1. 微小な穴の作成: ピコ秒レーザーは、ピコ秒(兆分の一秒)の短いパルスを使用して、皮膚の表面を通り抜けて真皮層にのみに微小な穴を作ります。これにより、ダウンタイムを最小にして皮膚の再生が促進され、ニキビ跡の改善が期待されます。
  2. コラーゲン再生: レーザーの照射刺激により、創傷治癒反応が起こりラーゲンおよびエラスチンの生成が刺激されます。これにより、皮膚の弾力性が向上し、ニキビ跡が改善されます。

微小な穴を作るために用いる波長は主に1064nmのYAGレーザを用います。

このYAGレーザはトーニングなどのシミを治療する際に用いる波長です。

なのでニキビ跡治療と同時にくすみ改善効果も期待できます。

②ダーマペン

ダーマペン4は、微細な針を使って皮膚に微小な穴を作り、皮膚再生を促進するマイクロニードルデバイスです。

ダーマペン4のメカニズム

ダーマペン4は、多数の微細な針を使って皮膚の表面に穴を作ります。

これにより、皮膚の表面の微小な傷が作成され、創傷治癒が促進されます。

創傷治癒に伴いコラーゲンとエラスチンを生成し始めます。

これにより、皮膚の弾力性が向上し、ニキビ跡が改善されます。

③サブシジョン(subcision)

サブシジョンは、ニキビ跡やその他の皮膚の凹みを改善するための小手術です。

主に、瘢痕組織が皮膚下で引っ張られ、皮膚表面に凹みを形成している場合に有効です。

この手術では、針や特殊な器具を使用して皮膚下の瘢痕組織を断ち切り、新たなコラーゲンの生成を促します。

重度のニキビ跡の凹みは皮膚深層に瘢痕組織が形成されていることが多いです。

サブシジョンは、その皮膚の下層にある瘢痕組織を物理的に断ち切ることで皮膚表面の凹みを改善します。

当院で行ったサブシジョンの症例紹介

一回のサブシジョン(3×3センチ)でここまで凹みが目立たなくなりました。

治療名:ニキビ跡に対するサブシジョン手術

費用:1㎠1万円

ダウンタイム:2週間程度

リスク:色素沈着、血腫、感染

当院のサブシジョンの特徴

画像はイメージです

指定範囲の正常皮膚を極力温存するマイクロサブシジョンを採用しております。

陥没部位のみをマーキングしサブシジョンを行うことでダウンタイムや色素沈着もリスク最小限にします。

手順

サブシジョンの手順です。

  1. 事前準備: 患者さんのニキビ跡の状態を評価し、サブシジョンが必要かどうかを判断します。
  2. 麻酔: 処置部位に局所麻酔を施します。
  3. サブシジョン: 専用の針を用いて陥没部位の皮膚直下の瘢痕組織を慎重に断ち切ります。これにより、皮膚表面の凹みがリフトアップされます。
  4. 施術部位に軟膏塗布、ガーゼ保護を行います。

まとめ

ニキビは多くの人にとって一過性のものですが、その後に残るニキビ跡は一生の悩みの種となります。

当院ではニキビ跡を残さない早期ニキビ治療。

残ってしまったニキビ跡に対しては様々な角度からアプローチし、お客様のお悩みが少しでも改善できるように本気で取り組んでおります。

ニキビ・ニキビ跡でお悩みの方お気軽にご相談ください。

保険対象外の治療なので全額自費治療になります。