性同一性障害(GID)の乳房切除後の切らない乳房挙上法、アンカー法について 

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台風が嫌いな橋本です。

今日は以前にも何度かブログで取り上げています性同一性障害(GID)の方々の乳房切除術についてのお話ですが、乳房の下垂が強い場合に適応されるアンカー法についてお話します。

乳房切除術の種類

初めに簡単なおさらいから始めます。

乳房切除術は大きく分けて3種類の術式があります。乳房の下垂の度合いにより術式を選択します。

一般的に乳房下垂は出産後に生じる乳房のボリューム減少やエイジングが原因とされていますが、性同一性障害(GID)FTMの方の場合、胸を平らに見せる為ナベシャツを着用している期間が長くなる傾向にあります。

長期間なべシャツの着用が乳房皮膚を圧迫し続け下垂の原因となります。

乳房下垂の重症度分類は以下の通りです。

1、乳輪切開法

正常(乳房皮膚がアンダーバストラインを超えない)の場合適応されます。

2、乳輪切開法+アンカー法orドーナツ状乳輪切開法

A等級(乳房皮膚がアンダーバストラインを少し超える)の場合適応されます。

3、乳房皮膚切除法

乳房皮膚切除法はB~C等級(乳房皮膚がアンダーバストラインを大きく超える)の場合適応されます。

性同一性障害(GID)の方々の乳房切除術後のアンカー法とは?

乳房切除術のアンカー法とは、乳房皮膚切除を行わず下垂を改善する方法です。

切開部位は乳輪下切開のみで行います。

下垂した皮膚を乳腺切除後に一度状態を起こし下垂した皮膚を特殊な糸で釣り上げながら縫合固定する方法です。

 

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この方法を行う事で皮膚に傷を残すことなく、乳腺切除、乳房挙上を行う事が可能となります。

軽度の下垂のある比較的若年者が適応となります。

下垂が重度であったり、比較的高齢の方には不適です。

些細なことでもお気軽にご相談ください。

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