GID(FTM):男性ホルモン投与による身体変化:体重・脂肪・筋肉


GID(GENDER IDENTITY DISORDERの略):性同一性障害の治療の一つにホルモン療法がございます。

以前ブログでFTMに対するホルモン治療に関してアップしておりますのでこちら「性同一性障害(GID)FTMの男性ホルモン療法」を参照してください。

今日は私も所属しているGID学会で紹介された論文で興味深い内容がありましたのでご紹介いたします。

「ホルモン投与によるFemale-to-Male」の体重・体脂肪率・筋肉量変動とその自覚」(GID、性同一性障害学会誌 Vol9 No.1 通巻9号2016年12月23日発行)

これまでFTMの男性ホルモン投与による身体面での研究は多く行われてきました。

研究により筋肉領域が拡大することは明らかにされましたが、体重や脂肪量の変化は一貫した結論は得られていませんでした。

この研究は男性ホルモンの投与期間を統一してFTMの体組成を測定し正確な測定し、変動について明らかにするためのものです。

研究方法

都内のクリニックでホルモン投与治療の実施が決まったFTM11名(投与開始時の平均年齢23.4歳±5.2歳)を対象に、投与開始直後から開始後最長18っ月まで研究を行った。

最初の1.5か月は投与の度に、その後は投与開始から3か月毎に、多周波数インピーダンス法(高精度の体成分分析装置)にて①体重②体脂肪率③筋肉量を測定した。

また、体重変化の自覚と体重への満足度を毎回聴取した。

結果

3項目(体重・全身の脂肪率・全身の筋肉量)ともに上記の効果がみられた。

結果

図1より、体重は投与直後から投与後3か月に向かい上昇すること、そして半年を過ぎると減少し、1年程度で減少が落ち着くことが分かった。

図2・3より、筋肉量は投与開始から1.5か月時点で優位に増加したのに対し、体脂肪は投与9が月まで減少しないため、一時的な体重減少が起きたと考えられる。

体重に関する満足度の変化はなく、投与開始直後の体重増加時の変化の方がより自覚されている。

まとめ

今回は男性ホルモン投与後のFTMの体重・体脂肪・筋肉量の変化を明確にした研究結果を紹介いたしました。

今後も性同一性障害(GID)当事者の皆様に有用な情報がありましたら紹介していきます。

些細なことでもご相談ください。

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