日本人が二重になりたい、二重手術をしたい理由!

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近年、男女共に二重にする傾向にあります。

目は顔の印象の9割といわれ、化粧や美容整形などで二重にする方が多くいます。

瞼には種類があり、一重・奥二重・二重の3つに分けられています。

日本人のほとんどが一重です。

なぜ多くの日本人が一重から二重にしたいのか根本的な理由を考えてみました。

日本人のルーツ

縄文時代は日本全土に縄文人しかいませんでした。

縄文時代以降、朝鮮半島から渡ってきた弥生人が縄文人と混血しながら拡大していきました。

現在の日本人は縄文人由来が30%、弥生人由来が70%と言われています。

弥生人は、顔に凹凸がなく、のっぺりとし、瞼は厚く一重です。(いわゆる醤油顔)

一方、縄文人は、顔は掘り深く、瞼は二重です。(いわゆるソース顔)

あなたは縄文人由来?弥生人由来?


たとえ弥生人の遺伝子を持っていたとしても「縄文人の遺伝子を強く受け継いでいる日本人」も存在します。

簡単なチェックで確認することができます。 その方法は簡単。ウインクです。

ウインクで確認可能!!
「唇を動かずにウインクができる人」(唇の形を変えずにウインクできる人)は、縄文人の特徴を強く受け継いでいる可能性があります。

片目だけではなく、両目のウインクを唇を動かさずにできた場合のみ、縄文人の特徴を強く受け継いでいる可能性があります。

ちなみに私は弥生系でした。

人類は皆二重だった!

白人や黒人などのまぶたは二重まぶたのみで一重まぶたはほとんど存在しません。

一重まぶたが多く見られるのはアジア人の特に日本・中国・韓国などの北東アジアの地域、と北に位置する一部の地域にのみです。

人類の祖先を紐解くと450万年前、アフリカで誕生したと言われています。

その後、一部の人類の祖先がアフリカを離れ、東南アジアやアジア大陸、中にはシベリアに移住していきました。

つまり、西洋人・東洋人ともルーツは一緒です。

しかし、その後置かれた環境が異なるためそれぞれの環境に適した機能・デザインが重視され、今のわれわれの姿形になっています。

例えば、西洋人は緯度の高い、太陽光が乏しい地域にすんでいます。

このため暗い光でも反応しやすいよう瞳の虹彩が薄くなっています。

このような体型やスタイル、もしかしたら思考形態にいたるまで、遺伝子が気の遠くなるような長い年月を欠けて溜め込んだ情報が操作していると考えられています。

一重まぶたの誕生秘話

世界の人種は、その起源と身体的特徴から、コーカソイド(白人)、モンゴロイド(黄色人)、ネグロイド(黒人)、オーストラロイドの4つに分類されます。

私たち日本人が属するのは、モンゴロイドです。

モンゴロイドの祖先は寒冷地に暮らしていましたが、優性である二重まぶたや凹凸のある濃い顔立ちは、生きていくのに不利でした。

濃い体毛は寒さで凍ってしまい、薄いまぶたや大きくパッチリ開いた目は吹雪から目を守ることができず、凹凸のある顔立ちは水が溜まって凍結する怖れがあったからです。

環境になれる進化の一つとして一重まぶたが誕生しました。

しかし、一重まぶたに進化しても当然寒く、より暖かい南を目指し移動しはじめました。

当時は大陸はつながっていたので徒歩で中国や韓国、さらに日本(西日本)へ向かっていきました。

その一重まぶたをもった日本人の先祖が弥生系と言われています。

このような背景から日本や韓国・中国では一重まぶたの人が多いとされています。

西洋人と東洋人の二重まぶたの違い

西洋人と東洋人のまぶたの違いと二重の仕組みを説明した論文を紹介します。

カリフォルニア大学からのものです。

1:西洋人の上まぶたの構造です。

目を閉じたときと開いたときの図です。

目の上の脂肪(眼窩脂肪)が少なく、二重を作る斜めの繊維(挙筋腱膜の枝が皮膚に停止する)が多いため目を開くとパッチリ二重になりやすいのです。

 

 

 

 

 

2:東洋人の上まぶたの構造です。

目の上の脂肪(眼窩脂肪)が多く下がっており、斜めの繊維(挙筋腱膜の枝が皮膚に停止する)が少なめです。その為まぶたが厚くぼてっとした控えめな二重が多くなります。

 

 

 

 

 

 

3:東洋人の一重の人の上まぶたの構造です。

二重を作る斜めの繊維(挙筋腱膜の枝が皮膚に停止する)が無く、眼窩脂肪が瞼板近くまで張り出しています。

そのため皮膚が引き込まれず、厚みのある一重となります。

 

 

 

 

 

PRS vol119 379 The Concept of a Glide Zone as It Relates to Upper Lid Crease, Lid Fold, and Application in Upper Blepharoplastyより。

一重と二重は遺伝する

瞼の形質は遺伝します。

一重を劣性遺伝、二重を優性遺伝といいますが、劣性は劣ってるという事ではありません。

学校で習った「メンデルの法則」を覚えていますか?

メンデルがエンドウの表現形の解析から発見した遺伝に関する法則で親の形質が遺伝子によって子や孫に伝わるというもので19世紀半ばに提唱され20世紀になって再発見されたものです。

図にすると分かりやすくなりますね。

A→二重の優勢遺伝子と表記

a→一重の劣勢遺伝子と表記

●二重の遺伝子を2つ持つ「AA」の二重
●二重の遺伝子を1つと一重の遺伝子を1つ持つ「Aa」の二重
●一重の遺伝子を2つ持つ「aa」の一重

両親が二重でも、「AA」タイプの二重なのか「Aa」タイプの二重なのかによって、子供が二重になる確率は変わるのです。

両親のどちらかが「AA」タイプの二重であれば、子供が二重になる確率は100%、両親が二重であっても、「Aa」タイプの二重であれば、子供が一重になる確率が25%あるということになります。

両親のどちらかが一重であれば、子供が一重になる確率は50%になります。計算上ではこのような確立になりますが、遺伝についてはまだまだ解明されていない部分が多く、まだ分かっていない要素が関わっている可能性もあります。

一重から二重への美意識の変化

平安時代~江戸時代まで絵巻物であるように一重で細面の顔が美人とされていました。

今の時代とは逆に目がぱっちりした人は目がでかくて気持ち悪いだとか、痩せている人は貧相だと思われてたそうです。

明治半ばになると美人コンテストが行われるようになります。

1891年(明治24年)、東京浅草の凌雲閣(12階)で行われた「百美人」の催しが、日本初の美人コンテストと記録されています。

やや長めの顔に目はぱっちり大きく、鼻は高く、色白なのが美人の条件とされてました。

こうした美意識は、明治時代から大正時代に至るまで日本の美人像の代表です。

戦後から日本では、西洋の影響を受けて、白人に近い顔立ちが美人とされました。

顔が細長い瓜実顔から丸顔に美人像が変化していきます。

最初の二重手術

二重まぶたは今ではどこでもおこなっておりますが、一番最初に報告されたのは、1896年に日本のMikamoドクターでした。

1850年代に鎖国がおわり、西洋の習慣が入ってくるようになり、女性の美の意識も西洋化してきた時代でした。

手術方法は、現在主流の方法と異なり、糸を4~6日後に抜糸するものでした。

その当時は、下記のような”絵”で、術前、術後を表示していたようです。

現在は、医学雑誌に画像を掲載するときは、写真を用いますが、絵、だとは、すごい時代ですね。

さて、それ以後は、1929年にMaruoが切開法を、1933年にHataが埋没法、などが報告して、二重の歴史が作られていきます。

PRS vol99 662 Mikamo’s Double-Eyelid Operation : The Advent of Japanese Aesthetic Surgeryより。

現代の二重手術

二重まぶたの手術は日本で行われている様々な種類の美容外科手術の中でもっともポピュラーな手術です。

大きくわけて二重埋没法二重切開法があります。

二重埋没法

医療用ナイロンの糸をまぶたの中に埋め込むことで折れグセをつける方法で、切らないことが特徴です。腫れも少なく、まぶたの裏から糸を入れるため、後になって糸が裏から出てくることはありません。同時に日本人特有のまぶたの厚み原因の脂肪も切ることなく除去することが可能です。

 

 

 

 

 

 

二重埋没法のメリット・デメリット

メリット

1.傷がない。

2.切開にくらべ腫れ、内出血が少ない。

3.気に入らなければもとに戻せる。

4.埋没法は切開する方法に比べてダウンタイムが短く費用も安い。

5.施術時間が短い。

6.1回の通院で済む。

デメリット

1一般的な埋没法は3~5年で50%以上の確率で二重(ふたえ)が消失し、一重まぶたに戻ってしまう。
2.例え数年二重が維持されたとしても、徐々に糸で固定したラインが重力で下がってきて、二重の幅が徐々に狭くなることがある。
3.稀に埋没させた糸が皮膚の下に透けて見えることがある。

二重切開法

まぶたの腫れぼったさやたるみが気になる方、埋没法を何度か行ったが元に戻ってしまった方に適しています。
二重のラインに沿って切開し、手術を行います。
腫れぼったさが気になる方の場合には脂肪を取り、たるみが気になる方の場合には皮膚切除を行います。

 

二重切開法のメリット・デメリット

メリット

1.より多くの脂肪を除去できる

2.くっきりとした二重を半永久的に持続できる。

3.眼瞼下垂の手術も同時に行えるので目の開きも同時に大きくできる。

デメリット

1、ほとんど目立たなくなるが傷が残る。(クリックにより異なる)

 

 

 

 

2.ダウンタイムが長い(約1か月くらい)

3.簡単に戻せない。

4.施術時間が長い。

5埋没法と比較して費用が高め。

6.抜糸までアイメイクができない。

5.抜糸、経過などで何回か通院しなければならない。

 

二重のまとめ

人類はもともと二重であったが、居住する環境の変化から優性である二重まぶたや凹凸のある濃い顔立ちは、生きていくのに不利な環境であったため現在の日本人の一重の姿形となっています。

しかし、戦後から欧米文化が流行したことで、西洋人の二重や高い鼻、長い脚など日本人にない姿形に憧れ、現在の日本人の思い描く美人像となりました。

そうした美人像が定着しているため、多くの人が二重にするためのアイプチであったり、美容外科での二重手術をされるのではないかと思われます。

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