多種多様なしみの病理所見とその治療について
みなさん、こんにちは。
しみ治療はしみの種類の正確な診断と、レーザーの使い分けが重要です!
当院でPico Sureを導入してから約半年が経過しました。
enLIGHTenに続き、Pico Sureを導入してから多種多様なしみに対して幅広く対応することができるようになりました。
当院のしみ治療はピコレーザーを2台駆使しオーダーメイドな治療戦略をとっています。
今回はしみの種類と、もう少し踏み込んでそれぞれの病理所見の違いについて紹介していきます。
①しみの種類
・老人性色素斑(日光黒子)
ほとんどの中年以降の方に出現する”しみ”です。
主に顔・手・腕などの露光部において、類円形で大小さまざまな褐色斑が出現します。
境界は比較的明瞭で、一部は脂漏性角化症(加齢に伴う”ほくろ”)に変化します。
老人性色素斑の病理所見
病理所見では、基底層に沿ってメラニンが線状に増加していて、表皮突起の延長がみられます。
メラノサイトの増加はみられません。
(画像引用”みき先生の皮膚病理診断ABC ③メラノサイト系病変,p81”)
深いところにメラニンの増加があることもあるので、しっかりと取りきらないと再発する可能性があります。
当院の老人性色素斑の治療について
表面が隆起していない場合、ピコレーザーを用いたレーザー治療(ピコショット)を行います。
基本的に1回目はダウンタイムの少ないPico sureで755nmの波長を用います。
表面が隆起している様な病変の場合、高周波を用いたレーザー治療を併用する場合がございます。
ほとんどの場合、1回の施術でしみを除去することができますが、薄く残った場合ピコトーニングを行います。
<費用>
1mm:4500円(税別)
取り放題:150000円(税別)※35mmを超える場合は取り放題のほうがお安くなります。
・雀卵斑(そばかす)
いわゆる“そばかす(freckles)”です。
3歳頃から顔などの露光部に、直径3mm程度の類円形の隆起のない褐色斑が多発するようになります。
加齢とともに増悪し、思春期に最も顕著となりますが、以後色調は薄くなっていきます。
雀卵斑(そばかす)の病理所見
病理所見では、基底層に沿ってメラニンが線状に増加しています。メラノサイトの増加・表皮突起の変化はみられません。
(画像引用”みき先生の皮膚病理診断ABC ③メラノサイト系病変,p80”)
浅いところのメラニンの増加なので、ほとんどの場合、1回の施術で除去することが可能です。
当院の雀卵斑(そばかす)の治療について
ピコレーザーを用いたレーザー治療(ピコショット)を行います。
Pico sureで755nmの波長が非常に効果的です。
<費用>
1mm:4500円(税別)
取り放題:150000円(税別)※35mmを超える場合は取り放題のほうがお安くなります。
・肝斑
30歳以降の女性に好発する”しみ”です。男性では稀です。
性ホルモンや副腎皮質ホルモンの分泌変化、紫外線・物理的刺激などの慢性的な刺激などがメラノサイトを活性化させると考えられています。
境界明瞭な薄い茶色のしみが、頬部を中心に左右対称性にみられます。
額や口の周りに拡大することもありますが、眼の周りにはでないのが特徴です。
紫外線により夏季に増悪し、冬季に軽減します。
妊娠を契機に発症することがあります(妊娠性肝斑)。
特にアジア人に好発します。
肝斑の病理所見
病理所見では、基底層に沿ってメラニンとメラノサイトの増加がみられます。
(画像引用”みき先生の皮膚病理診断ABC ③メラノサイト系病変,p81”)
病理からみても分かるように、肝斑はメラニンだけでなくメラノサイトの増生・活性化も原因なので、内服・レーザー治療の両方のアプローチが必要になります。
当院の肝斑の治療について
肝斑は内服治療とレーザー治療の併用で治療を行います。
肝斑治療は一度ですべて取り除くというのは難しいため、内服・レーザー治療で徐々に薄くしていきます。(月に1回程度)
・内服治療(ビタミンC、ビタミンE、トラネキサム酸など)
・ピコレーザーを用いたレーザー治療(ピコトーニング)。
Pico Sureで755nm、もしくはenLIGHTenⅢの1064nmの波長を用いてトーニングを行います。
※肝斑と老人性色素斑(もしくは雀卵斑)が合併している方の場合、まずは肝斑治療を行っていただきます。その後、肝斑の症状が落ち着いたあとにピコショットで治療を行います。
<費用>
内服治療:1ヵ月5000円(税別)
ピコトーニング:・シングル → 9,000円(税別)
・遅発性両側性太田母斑様色素斑(後天性真皮メラノサイトーシス、ADM)
頬骨部、鼻翼などに灰色のようなの直径1〜3mmの点状の色素斑が多発し、次第に色調が濃くなります。
思春期〜中年の女性、特にアジア人に好発します。
ADMの病理所見
病理組織学的には真皮上層にメラノサイトの増加を認めます。
真皮というのは皮膚の少し深いところにある層のことです。
つまり、他のしみに比べてやや深いところに病変が存在するため、深いところに届くレーザー波長を用いる必要があり、また病変によっては照射回数がかかる可能性があります。
当院のADMの治療について
ピコレーザーを用いたレーザー治療(ピコショット・ピコトーニング)を行います。
Pico Sureの755nmもしくはenLIGHTenの532nmの波長を用います。
ADMは皮膚の深いところにあるしみなので、一回の治療で除去できることもありますが、回数がかかる場合もございます。
また、照射後に2~3ヵ月かけてゆっくり消えていくような取れ方をすることもあります。
<費用>
1mm:4500円(税別)
取り放題:150000円(税別)※35mmを超える場合は取り放題のほうがお安くなります
・扁平母斑(カフェオレ斑)
境界明瞭な直径0.5〜10cmの薄い茶色の色素斑で、皮膚色以外の変化を認めません。
多くは生まれた時から存在し、2〜3歳までに明瞭化します。
単発のものは健常人の約10%でみられます。
扁平母斑の病理所見
基底層のメラニンの増加と表皮突起の延長がみられますが、メラノサイトの増加はありません。
基本的に浅い層にあるしみですが、病変によっては照射回数がかかる場合があります。
当院の扁平母斑の治療について
ピコレーザーを用いたレーザー治療(ピコショット)を行います。
Pico Sureの755nmを用います。
一回の治療で除去することができることもありますが、回数がかかる場合もございます。
<費用>
1mm:4500円(税別)
取り放題:150000円(税別)※35mmを超える場合は取り放題のほうがお安くなります
②当院のピコレーザーの機種について
当院では2種類のピコレーザーを採用しております。
・ピコシュア
ピコシュアは755nmの波長を持つピコレーザーです。
755nmはメラニンに対する吸光度が高いのに加え、色素沈着を起こしにくいという特徴があります。
・エンライトンⅢ
エンライトンⅢは532nm、670nm、1064nmの波長を持つピコレーザーです。
1064nmは755nmよりも皮膚の深いところに熱を加えることができる性質があります。
皮膚の深いところにある病変にはエンライトンⅢが効果的です。
また、532nmという波長はメラニンを一番破壊しますが、ヘモグロビンにも反応するので炎症性色素沈着(PIH)のリスクが高いというデメリットがあります。
この2つのピコレーザーを採用することで、しみをより効果的に治療することが可能です。
③まとめ
当院のしみ治療は、しみの種類を正確に診断して、より効果的なレーザー(機器・波長・モード)を選んで治療を行っています。
病理所見まで含めてみると、しみの特性を知って波長の選択もしやすくなります。
当院ではピコレーザー2台体制で、最先端のしみ治療を行っており、多種多様なしみに対して効果的な治療を行うことが可能です!
ピコレーザーを用いたほとんどダウンタイムのない最新のしみ治療を、ぜひご体験くださいませ。
カウンセリングのみでも歓迎しております。