シミができる原因・治療の時期
長年紫外線を浴びて出来てしまった、または大きくなってきたシミ。
シミをコンシーラーやファンデーションで隠されてる方は多いのではないでしょうか。
また、顔以外にも腕や背中と全身にできてしまった方もいると思います。
シミの種類・原因や治療時期をご紹介してきます。
シミができる原因
シミは色んな原因で出来てしまいますが、中でも紫外線を浴びたことによる影響が一番多いです。
紫外線を浴びることでメラノサイトと呼ばれる細胞が刺激を受けて、メラニン色素を発生させます。
このメラニン色素がシミの原因となります。
メラニン色素は肌を紫外線から守るためにつくられ、ターンオーバー(表皮の新陳代謝)が正常に行われていると正常の肌に戻ります。
しかし、多量に紫外線を浴びタンオーバーが正常に行われず、メラニン色素が過剰に作られてしまったことでシミとなって残ってしまいます。
<ターンオーバーの周期>
20歳前後:約28日
30代:約45日
40代:約60日
ターンオーバーが正常に行われない他の原因
・肌の洗いすぎ、強い刺激成分のスキンケア用品、間違った方法でのピーリング
・肌荒れ、ニキビ
・加齢による肌の老化
・睡眠不足
・ストレス
・ホルモンバランスの乱れ
正常なターンオーバーで得られる効果
ターンオーバーが正常になると年齢を重ねても美肌を保つことができます。
・シミや黒ずみの改善
・ニキビやニキビ跡の改善
・乾燥肌・敏感肌の改善
・小ジワの改善
シミの種類
それぞれのシミのレーザー治療は下にリンクを貼っております。
1.老人性色素斑
老人性色素斑は、これまでに浴び続けてきた紫外線が原因で現れてくるシミです。
しかし紫外線を浴び過ぎたからといってすぐに発症するものではなく、過去にどれだけダメージを蓄積してきたかになります。
顔・腕・手の甲にできやすく、薄茶色で、輪郭がハッキリとした類円形のもので丸には近いものの、形が定まらずいびつなものが多いです。
通常40歳前後に発症しやすくなり、肌色が白い方、外で過ごすことが多い方などはもっと早く、20代の頃から出ることもあります。
通常は紫外線を浴び続けることでメラノサイトが刺激を受け、メラニン色素をつくりだし、紫外線の害から体を守ろうとして肌の色を黒くします。
これがいわゆる「日焼け」で、通常は皮膚のターンオーバーによってメラニン色素が排出されもとの肌色に戻りますが、紫外線対策を怠り慢性的に浴びつづけた場合や、ターンオーバーが部分的に滞ったりすることでメラニンが過剰につくられて沈着してしまい、これが老人性色素斑となります。
2、炎症性色素沈着
炎症性色素沈着は、名の通り皮膚が炎症や外傷を起こし、炎症が治まった後に発生するシミ・色素沈着です。
皮膚が炎症を起こせば一部分を除き、全身どこでも発生する可能性があります。
炎症によって起きるシミのため、人によっては大きさが異なります。
特に、日本人を含む黄色人種(モンゴロイド)はメラニンが多いため炎症後の色素沈着を起こしやすい傾向があります。
皮膚の炎症によって活性酸素が発生して、メラニン色素を作り出すメラノサイトが刺激を受け、チロシナーゼという酸化酵素を活性させます。
そして、チロシナーゼがアミノ酸のチロシンをメラニンに作り変えることでメラニン色素が合成されます。
そのメラニン色素が残った状態が炎症後色素沈着で、皮膚の炎症が治まって赤みが引いてから現れます。
ニキビ(吹き出物)、虫さされ、極端な日焼け(サンバーン)、火傷(やけど)、アトピー性皮膚炎、湿疹、毛嚢炎(毛包炎)、あせも、アレルギー性皮膚炎、化粧品かぶれなどによって発生することが多く、またレーザー治療後にも炎症後色素沈着を起こすことがあります。
炎症後色素沈着は、放っておいても消えていくことがありますが、炎症の度合いが大きいほど色素沈着がひどくなり、ターンオーバーが乱れてると色素沈着が消えるまで数年かかることもあります。また日焼けするとシミが悪化しやすくなります。
炎症性色素沈着は比較的に美白化粧品などで消えやすく、新陳代謝が活発であれば、特に治療しなくても消えることが多いです。
3、肝斑
20代から40代に多くあらわれる症状で、女性ホルモンのバランスが大きく関係しています。
特に30代から40代と更年期にかけてのタイミングや、妊娠しているときに肝斑が表れやすいのです。ピルを服用した場合に表れるということもあります。
また、ストレスを感じたり、洗顔の際にゴシゴシと肌を洗うことなど肌への摩擦や刺激も原因と考えられています。
肝斑は基本的に左右対称で、大きさもほぼ同じサイズで現れます。
そして肝斑が特にあらわれやすいポイントは頬骨の付近で、小さな点のシミというよりも、肝斑は比較的広い範囲に表れます。
輪郭自体もはっきりとしておらず、輪郭がぼやけた形が特徴です。
色は薄茶色で、一番多いのが目の下あたりを縁取る形で表れ、額や鼻の下にできることもあります。
4、雀卵斑
雀卵斑の原因のひとつが遺伝によるものです。
子供にできる雀卵斑は、殆どが両親からの遺伝であると言われています。
雀卵斑そのものが遺伝するのではなく、雀卵斑ができやすい体質が遺伝します。
雀卵斑とはメラニン色素が局所的に活性化することで、小さいシミを散らばしたような特徴がありますが、それは紫外線によって肌がダメージを受けた結果でもあるので、日頃のスキンケアによって防ぐことは可能です。
それでも子供が日傘を差したり、美白クリームを塗るわけではないので、雀卵斑が出来やすくなるのです。
これらの遺伝性の雀卵斑は、早くて3歳くらいから出来始め、思春期の終わり頃にかけて治まっていきます。
しかし、成人しても治らず、雀卵斑が消えなかったり広がったりしている場合は、間違ったスキンケアや肌に合っていない化粧品を使用し続けるなどの行為、肌のターンオーバーを促すピーリングが過度になっている、化学繊維を含んだタオルで強く体をふくなどの肌に負担を与える行為や、もちろん成人してから浴びる紫外線、ビタミンCなどの栄養不足など、あらためてその原因を探る必要があります。
5、脂漏性角化症
脂漏性角化症とは「老人性疣贅(ろうじんせいゆうぜい)」「老人性いぼ」ともよばれます。
早い人では20代に発症するケースもあり、その際には「老人性」と表現せず「脂漏性角化症」と告げる医師もいるようです。
手のひらや足の裏以外であれば体中どこにでもできてしまいますが、特に紫外線によく当たる部位に多く見られるため、顔から首周りに多発します。
加齢とともに発生率が急激に高くなり、80代になる頃にはあたりまえに皆がひとつやふたつはもっているような、高齢者の方には身近なイボです。
大きさは数mmから2〜3cmくらいで、出き始めは1mm程度で気付きにくいです。
加齢とともにどんどん大きくなり、数も増えてしまう傾向があります。
平らなものから盛り上がるものまで形は様々だが、触れると硬くザラザラしているのが特徴で、色も肌色から黒っぽい色まで様々です。
そのためシミやほくろに見間違えられることも多いです。
痛みや痒みといったものについてはほとんどが無症状ですが、人によっては痒みを伴う場合もあります。
6、光線症花弁性色素斑
光線症花弁性色素斑は肩や背中といった、広い範囲に散らばったようなシミです。花びらが広がったような形に見えるためそう呼ばれています。
花弁状色素斑は強い紫外線を一気に浴びた時、皮膚が炎症を起こすことで出来てしまいます。
顔は普段から紫外線に慣れていますし、入念にUVケアを行いますので、そこまで急激に日焼けをするということが少ないです。
しかし、肩や背中は普段洋服に守られ、通常日剤を浴び続けることはないため、海などで急に強い日差しを浴びてしまうとやけどを負ったような状態になり、その後がシミになってしまうのです。
海水浴後に皮膚が真っ赤になり皮がむけたり、水ぶくれができてしまうような時は、花弁状色素斑が出来やすい状態と言えます。
通常のシミは表皮にできるシミですが、花弁状色素斑は、真皮部分にまでダメージを負ってしまうことで出来るシミです。
そのため、シミの中でも治りにくいシミです。
7、後天性真皮メラノサイトーシス(ADM)
ADM(Aquired dermal melanocytosis)後天性真皮メラノサイトーシスとは、ABNOM(Aquired,Bilateral Nevus of Ota-like Macules)、遅発性太田母斑とも呼ばれる皮膚の深い層(真皮層)に存在するしみです。
早くて思春期以上、多くは20歳から30歳以上の年齢で発生する顔の色素斑(しみ)であり、色味の薄いタイプから濃いものまで全てを含めると、これらの年代のほとんどの女性の顔に、多かれ少なかれ存在する大変一般的なシミです。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)の発生部位は両側性で、顔の頬骨と下まぶたに点状、もしくは斑状に生じることが最も多く、次に多い発生部位が鼻根部、鼻翼、こめかみ、上瞼外側、前額外側です。
色は、灰色、褐色、灰褐色、濃褐色など様々なバリエーションがあり、一定ではありません。
円形のしみが複数ばらばらに散らばって存在することがほとんどですが、重度の場合それら円形(斑状)のしみ同士がまとまって癒合し、地図状の形態を取ることもあります。
ADM(後天性真皮メラノサイトーシス)は紫外線に関係なく生じるため、肝斑や日光性色素斑のように夏場に色が濃くなったりすることがない点が特徴的です。
シミの治療時期
レーザーは、数ある美白治療の中でも最も効果が高く、迅速に結果を得られる手法として知られています。
施術を希望する人は多いのですが、レーザーを受ける時期には注意が必要だということはあまり知られていません。
レーザーによる治療は、その高い効果ゆえに施術後は肌がダメージを受けてしまい、バリア機能がかなり低下しています。
紫外線の影響を受けやすい状態になっており、もしそのまま外出すればすぐに患部にメラニンを生成して濃いしみを作ってしまうのです。
このため夏に差し掛かる頃から日差しが和らぐ初秋の頃までの紫外線が強烈な時期は、できれば施術を避けた方が良いとされています。
レーザーでしみ取りをするのに適している時期としては、11月以降が挙げられます。
日照時間も短くなるだけでなく日差しも弱まり、メラニン生成の原因となる紫外線が減少するためです。
また、この時期からマスクをする人も目立ち始めますが、これは患部や施術によってできたかさぶたなどを隠すのにも適しています。
レーザーを受けた後の肌は、紫外線に対する抵抗力が弱まり、非常に敏感になっています。
日焼け止めなどをしっかり塗ってケアしておくことが大切ですが、それでも100%防ぐことはできないので注意が必要です。
レーザー治療後、紫外線や雑菌から患部を守るために保護テープなどを貼ることもあります。
保護テープを貼っていれば心配することはありませんが、肌の状態が回復するまでずっと貼り続けられるものではありません。
貼り続けることで肌が回復の過程としてかさぶたを作ることも邪魔してしまうので、できれば施術後家に帰りついてから剥がすようにしてください。
また、施術後は患部への刺激を避けるために、洗顔や汗をかくこともできるだけやめるようにしてください。
もしどうしても夏に施術を受ける場合は日焼け止めや日傘などで徹底的に紫外線対策を行い、メラニン色素を作り出さないように注意するようにしてください。
☆ピコタトゥーでのシミ・美肌治療
内服によるシミ治療
1回のレーザーでシミが消えても、ケアや内服を怠るとシミは再発します。
トーニングと内服を続けることで気になっているシミ、くすみ、肝斑は薄くなり消えます。
当院で取り扱いの内服薬をご紹介します。
シナール錠
シナールはビタミンCで、シミの元であるメラニンを抑えてくれる作用があります。
通常ビタミンCの1日の所要量は100mgとされておりますが、美容上の効果を得るためには約20倍の量である1500~2000mgの摂取が必要です。シナール錠には一錠中アスコルビン酸が200mg含有されており、通常はこれを一日に5~10錠内服します。
ビタミンCは水溶性なので多量の飲むと尿として排泄されますのでこまめに摂る事が大切です。
喫煙者、ストレスが溜まる方、飲酒をされる方はビタミンCが不足がちになるので積極的に摂る必要があります。
ビタミンCはメラニン抑制だけではなく、コラーゲン生成促進、皮脂バランス調整、免疫力向上などの効果もあります。
シナール錠の副作用
ビタミンCは水溶性のため、多量に摂取しても尿として排泄されます。
油溶性のビタミンであるAやEとは違い重篤な副作用はありませんが、人によっては多量摂取によってお腹が緩くなってしまったり、気持ち悪くなる場合もあります。
トラネキサム酸
トラネキサム酸は、抗プラスミン作用により情報伝達物質の生成を抑制するのでメラニン生成を起こしにくくしてくれます。そのため紫外線にしっかり当たっても、ゴシゴシと刺激を与えてもメラニンが生成されにくい為シミが薄くなったり発生しにくくなるのです。
一錠に250mgのトラネキサム酸が含有され、一日に3錠、計750mg内服します。
主に止血剤として処方されていますが、月経過多、血友病、白血病などによる出血を抑制する為に用いられています。抗炎症作用もありますので熱が出た時に処方される場合もあります。
トラネキサム酸の副作用
トラネキサム酸は止血剤ですので、血栓が出来ていてそれを治す薬を飲んでいる方は服用できません。
健常者がトラネキサム酸を服用しても血が固まってしまう、血栓が出来るっという事ではありません。
他のお薬で内服されている方は医師に報告するようにしましょう。
ユベラ錠
ユベラ錠はビタミンEの持つ抗酸化作用により、肌の酸化を抑え、皮膚の新陳代謝を高めてメラニン色素の沈着防止によりシミやそばかすの予防効果や、
しわ、たるみを防止する優れた効果があります。
抹消血管の血行を促すことにより循環障害を改善し、抗酸化作用により過酸化脂質の増加を防ぎます。
通常、ビタミンEの欠乏症、末梢循環障害の治療や過酸化脂質の増加防止などに用いられます。
ユベラ錠の副作用
副作用は少ない薬とされていますが全くないわけではありません。
使用後、次の症状があらわれた場合は副作用の可能性があるので、すぐに使用を中止して、医師や薬剤師に相談してください。
・消化器:便秘、胃のあたりの不快感、下痢、
・過敏症:発疹
当院ではシナール、トラネキサム酸、ユベラ合わせて処方しております。
価格:5400円(税込み)
まとめ
シミの多くは紫外線によって起こります。それ以外に炎症やホルモンの作用によって起こります。
治療時期は1年通してできますが、出来ることなら紫外線が弱まった11月前後をお勧めします。
シミ治療にとって大事なことは1回シミが消えたり、薄くなってもレーザートーニングや内服を辞めずに続けていくことで美肌を保つことができます。
紫外線を浴びすぎない、紫外線予防を行う、スキンケアをしっかりおこなって美肌・美白を目指しましょう。
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