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橋本式包茎手術ができるまで

橋本式包茎手術ができるまで

20年以上、包茎手術と向き合ってきた医師として

包茎手術は、単に余分な包皮を切除するだけの手術ではありません。

どの位置で切開するのか、どれだけ包皮を残すのか、小帯をどのように扱うのか、どの太さの糸で、どのように縫合するのか。その一つひとつが、傷跡や見た目の自然さ、勃起時の違和感など、術後の仕上がりに関わります。

私は美容外科医として約20年以上、包茎手術と向き合ってきました。

これまでに学んだ技術をそのまま続けるのではなく、形成外科で得た知識や、師匠から改めて学んだ術式を取り入れながら、より自然で、傷跡が目立ちにくく、患者様の負担に配慮した手術を追求してきました。

ここでは、現在の橋本クリニックの包茎手術にたどり着くまでの経緯と、私が手術で大切にしていることをお伝えします。


包茎手術から学んだ、美容外科医としての基礎

私が美容クリニックの世界に入ったのは、約20年前です。

最初に入職した神奈川クリニックは、当時、包茎手術に特に力を入れていた美容外科でした。

当時は「包茎手術・二重手術・わきが手術」が、美容外科手術の“三種の神器”と呼ばれていました。この3つの手術を習得することで、皮膚切開、止血、剥離、縫合など、美容外科手術に必要な基本技術を幅広く学べると考えられていたためです。

なかでも包茎手術は、想像以上に繊細な技術を必要とする手術でした。

亀頭直下の皮膚は非常に薄く、その薄い皮膚を正確に合わせ、細かく縫合しなければなりません。

この部位をきれいに縫えるようになるまで繰り返し手術を行った経験は、その後、二重手術をはじめとする目元の繊細な縫合にも大いに役立ちました。

私にとって包茎手術は、現在まで続く美容外科医としての技術の原点です。


出血を抑え、細部まで確認できる手術へ

医師になった当初、私は、陰部や指先などの末梢組織にはエピネフリンを含む局所麻酔薬を使用しない、と教わっていました。

そのため、神奈川クリニックで包茎手術にエピネフリンを含む局所麻酔薬を使用していることを知ったときは驚きました。

しかし、実際の解剖や手術を学ぶ中で、適切な濃度と量を選び、患者様の状態を確認したうえで使用することで、術中の出血を抑え、手術部位を見やすく保てることを学びました。

術野が見やすくなることは、単に手術を進めやすくするためだけではありません。

細かな血管や皮膚の位置を確認しながら切開・止血・縫合を行えるため、組織への不要な負担を減らし、より丁寧な仕上がりを目指すことにつながります。

私はこの経験から、従来の常識をそのまま受け入れるのではなく、解剖学と患者様の状態に基づき、より適切な方法を考えることの大切さを学びました。


クランプ法と直視下手術の違いから学んだこと

包茎手術を学び始めてから、私は手術後の男性器を意識して観察するようになりました。

さまざまな術後の状態を見る中で強く感じたのは、器具を使用して包皮を盲目的に切除するクランプ法と、医師が直接確認しながら切開・縫合する直視下手術では、傷跡や仕上がりが全く異なるということです。

クランプ法はちょっとしたレクチャーを受けた医師なら誰でも出来て、手術時間も短く出血も少ないなどの利点がありますが、患者様一人ひとりの陰茎の長さ、太さ、皮膚の厚み、ねじれ、勃起時の変化に合わせた細かな調整には限界があります。

私は、患者様ごとの状態を直接確認しながら切除量を調整し、亀頭直下で丁寧に縫合する方法を選んできました。

同時に、患者様が求めているのは「顕微鏡で見ても傷が分からないこと」だけではないとも学びました。

自然に見えること、勃起時につっぱらないこと、コンプレックスから解放されること。そのすべてを含めて、患者様にとって良い手術である必要があります。


7-0の細い糸で身につけた、繊細な縫合技術

一般的な包茎手術では、5-0程度の糸が使用されることが多いです。(数字が大きくなるほど糸は細くなる。)

一方、私が神奈川クリニックで包茎手術を学んだ際には、将来、目元の手術にも応用できるよう、7-0というさらに細い糸を使用した縫合技術を身につけました。

糸が細くなるほど、皮膚を正確に合わせる技術と、より細かな縫合操作が必要になります。

この経験は、包茎手術の傷跡をできる限り目立ちにくく仕上げるうえで、現在も大切な基礎となっています。

当院では、単に傷口を閉じるのではなく、左右の皮膚の高さや厚みをそろえ、縫合部に不要な段差や引きつれが生じないよう、一本ずつ丁寧に縫合します。


なぜ当院では、基本的に2週間後の抜糸をおすすめするのか

包茎手術を行うクリニックの中には、「吸収糸を使用するため抜糸が不要」と案内しているところもあります。

通院の必要がないことは、患者様にとって大きなメリットです。そのため、遠方にお住まいの方など、抜糸のための来院が難しい場合には、吸収糸を選択する方法もあります。

しかし、私は長期的な傷跡の仕上がりを重視し、基本的には非吸収糸で縫合し、約2週間後に抜糸する方法をおすすめしています。

縫合糸が長期間皮膚に残ると、縫合糸が皮膚に食い込むことで、傷に対して直角に点状の跡、いわゆるステッチマークが残ることがあります。

適切な時期に抜糸することで、糸による圧迫を早めに解除し、縫合糸の跡が残るリスクをできる限り抑えることができます。

一度ご来院いただく必要はありますが、私は「抜糸が不要だから良い手術」ではなく、数年後まで自然な傷跡を目指せることが、患者様にとってより大切だと考えています。


手術時間よりも、自然な形を優先する小帯温存法

約5年前、私が包茎手術を学んだ神奈川クリニックの師匠に改めて自分の手術を見直していただく機会がありました。

その際、最も驚いたのが、小帯を温存しない術式でした。

小帯を温存しない場合、手術時間を約30分短縮でき、陰茎の裏側の縫合も行いやすくなります。術者にとっては、非常に合理的な方法です。

しかし、私は改めて考えました。

「手術を行う医師にとって容易な方法」と「患者様にとって自然な仕上がりになる方法」は、必ずしも同じではありません。

小帯は、もともと男性器に備わっている自然な構造です。

そのため私は、手術に時間がかかり、縫合の難易度が上がったとしても、可能な限り小帯を温存し、自然な男性器の形を残す術式を選択しています。

術者の効率よりも、患者様が将来にわたって自然に感じられる仕上がりを優先する。

それが、私が小帯温存にこだわる理由です。


形成外科で学んだW形成とLazy Sの考え方

従来の亀頭直下法でも、傷跡を十分目立ちにくくできることは分かっていました。

しかし私は、形成外科に勤務していた時代に、傷跡をより自然に見せるために行っていたW形成やLazy Sデザインを思い出しました。

W形成は、直線的な傷を細かなジグザグ状にデザインし、傷を周囲の皮膚になじませる形成外科的な方法です。

一方で、包茎手術にW形成を取り入れるには、亀頭直下に数ミリ単位の細かな角度を連続して設計する必要があり、デザインが非常に複雑になります。

そこで当院では、亀頭直下の切開線を緩やかなS字状にするLazy S式を、まずモニター手術で導入しました。

実際に経過を確認したところ、直線状の傷に比べて周囲のしわになじみやすく、傷跡が目立ちにくい仕上がりが得られました。

また、切開線を緩やかな曲線にすることで、一直線の傷に力が集中しにくくなり、創部にかかる緊張を分散できると考えています。

形成外科で培った「傷をただ閉じるのではなく、将来どのような傷跡になるかまで考えてデザインする」という発想を、包茎手術に応用した術式です。


Lazy S式亀頭直下法とは

Lazy S式亀頭直下法は、切開線を亀頭直下のしわに沿わせながら、緩やかなS字状にデザインする当院の術式です。

直線が緩い曲線になることで、円周が長くなり相対的に傷に対する負担が減って、傷跡がより目立たなくなる術式です。

Lazy S式で大切にしていること

  • 傷跡を亀頭直下のしわになじませる
  • 直線状の傷に力が集中することを避ける
  • 小帯を可能な限り温存する
  • 勃起時の皮膚のつっぱりを防ぐよう切除量を調整する
  • 細い糸を用いて皮膚の高さを丁寧に合わせる
  • 基本的に約2週間後に抜糸し、糸の跡を残しにくくする

単に切開線をS字にするだけではありません。

患者様ごとの陰茎の太さ、皮膚の厚み、ねじれ、弛緩時と勃起時の差を想定しながら、切開線と切除量をフリーハンドで設計します。


糖尿病や包皮炎を繰り返す方にも配慮した手術

糖尿病のある方は、傷の治りが遅くなったり、感染リスクが高くなったりする場合があります。

また、糖尿病に伴って包皮炎を繰り返し、包皮が狭くなる、亀頭を露出しにくくなる、排尿時や勃起時に痛みが生じるといった症状で悩まれている方もいらっしゃいます。

通常、亀頭付近の薄い包皮は傷ついても直ぐに再生するため問題になることはないですが、糖尿病を伴う場合は傷の修復速度が遅くなっているため傷に傷を重ね皮膚が硬くなってしまうことがあります。

こうなると、自力で治療するのは非常に困難で長い道のりなります。

そこで、亀頭付近の傷に傷を重ね硬くなった包皮を包茎手術になぞらえて切除し、LazyS式で縫合する術式を開発しより多くの方のメンズライフのサポートが出来るようになりました。

当院では、血糖コントロールの状態、炎症や感染の有無、服用中のお薬などを術前に確認し、必要に応じて処方を追加し可能な限り希望する方にこの手術を行っています。

Lazy S式は、直線状の傷に比べて創部にかかる緊張を分散させることを目的とした術式です。

そのため、傷の治りに不安がある方に対しても、創部への負担をできる限り抑えることが可能です。

形成外科的なLazyS式手術を用いることで糖尿病というそもそも手術すら困難な症例に手を出すことが可能になりました。

しかし、すべての症例に可能とは限りません。

血糖値やHbA1c、炎症の状態によっては、先に糖尿病や感染症の治療を優先していただく場合があります。安全を最優先とし、診察のうえで一人ひとりに適した治療方針をご提案します。


技術は完成するものではなく、見直し続けるもの

私は、20年以上包茎手術を行ってきたからこそ、自分の術式が完成したとは考えていません。

師匠から改めて手術を学び、形成外科時代の経験を振り返り、モニター症例の経過を確認しながら、より良い方法へと少しずつ改善してきました。

亀頭直下での切開、小帯の温存、細い糸による縫合、適切な時期の抜糸、そしてLazy Sデザイン。

これらは、単に傷跡をきれいに見せるためだけの工夫ではありません。

患者様が手術後に違和感なく生活できること、自然な見た目に自信を持てること、そして数年後も「手術を受けて良かった」と思っていただけることを目指して選択してきた方法です。

これからも技術を見直し、より自然で、傷跡が目立ちにくく、患者様の負担に配慮した包茎手術を追求していきます。

包茎で悩む、すべての男性の味方でありたい。

それが、包茎手術に20年以上向き合ってきた私の、変わらない想いです。

静岡美容外科 橋本クリニック
院長 橋本健太郎

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