避妊インプラントとは?
「毎日ピルを飲むのが大変」「飲み忘れが不安…」 「できるだけ確実な避妊方法を選びたいけれど、将来は子どもも授かりたい」
そんなお悩みを持つ方にとって、新しい選択肢となるのが「避妊インプラント」です。 上腕(二の腕)の皮下に小さなスティックを挿入するだけで、長期間にわたり高い避妊効果を発揮する治療法です。

こんな方におすすめ
- 毎日ピルを飲むのが面倒な方
- ピルの飲み忘れが多い方
- 確実性の高い避妊を希望する方
- コンドームだけの避妊に不安がある方
- 将来の妊娠の可能性は残したい方
- 子宮内に器具を入れることに抵抗がある方
- 仕事や育児で忙しく、頻回な通院が難しい方
避妊インプラント ネクスプラノンとは?
避妊インプラントは、長さ約4cm、直径約2mmの細いスティック状の薬剤です。イメージとしては、「綿棒の軸」に近い細さの柔軟なプラスチック製のインプラントです。
この小さなインプラントの中には、「エトノゲストレル」という黄体ホルモン製剤が含まれています。体内に挿入されたあと、このホルモンが少量ずつゆっくりと血液中に放出されることで、長期間にわたり確実な避妊効果を発揮します。

避妊インプラント(ネクスプラノン)の大きな特徴
最長5年間の高い避妊効果
1本の細いロッドを二の腕の内側に挿入するだけで、最長5年間にわたり安定した避妊効果を発揮します。99%以上の高い避妊効果が認められている新しい選択肢です。
非常に優れた避妊方法である経口避妊薬(ピル)ですが、実際には以下のような理由で効果が不安定になってしまうケースがあります。
- うっかり飲み忘れてしまった
- 毎日決まった時間に飲むのが難しい
- 体調不良(嘔吐や下痢)で成分が吸収されなかった
- 忙しくて通院や内服を中断してしまった
その点、避妊インプラントは一度腕に挿入すれば、数年間(※製剤に応じた期間)にわたり毎日何かをする必要がありません。「自分で毎日管理しなくてよい」という点が、ピルにはない大きなメリットです。
一度取り外せば妊娠可能
避妊インプラントは、二の腕の皮下に挿入します。
局所麻酔を使用するため、処置中に大きな痛みを伴うことはありません。傷跡も目立たないほどごくわずかです。
また、一度挿入したインプラントは、ご希望に合わせていつでも簡単に除去(抜去)することができます。 取り外した後は、最短1週間ほどで元のホルモンバランスに戻り、妊娠が可能な状態へと回復します。「将来は子どもが欲しい」と考えている方でも、安心してお選びいただける選択肢です。
避妊インプラント ネクスプラノンの仕組み
| ① 排卵を抑える(精子と卵子を合わせない) 妊娠が成立するためには、卵巣から卵子が排出される「排卵」が不可欠です。避妊インプラントから放出される黄体ホルモンの働きによって排卵そのものを抑制し、精子と卵子が出会う機会を根本から減らします。 ② 子宮頸管粘液を変化させる(精子の進入をブロック) 子宮の入り口には、子宮頸管粘液という分泌物があります。避妊インプラントによってこの粘液が粘り気の強い状態になると、精子が子宮内へ入りにくくなります。 ③ 子宮内膜を薄く保つ(着床を阻害する) 受精卵が着床するためには、子宮内膜が一定の厚みを持つ必要があります。避妊インプラントは内膜をあらかじめ薄い状態に保ち、受精卵が着床しにくい環境を作ります。 つまり避妊インプラントは、 ①排卵を抑える、②精子を入りにくくする、③着床しにくい環境にするという複数の作用で、高い避妊効果を発揮します。 |
避妊インプラント(ネクスプラノン)の持続期間
避妊インプラントは、海外で最長5年間の避妊効果が認められています。
一度の挿入で長期間効果が持続するため、仕事や育児に追われる日々の中で、毎日お薬を管理するストレスから解放されます。
ただし、効果を維持するためには5年を超えての使用はできないため、継続をご希望の際は期限前の抜去と新しいインプラントへの交換が必要です。また、体格・体重や既往歴、お薬の飲み合わせなどによっては、医師の判断で早めの交換をご提案させていただく場合もございます。まずは診察時にご相談ください。
低用量ピル、ミレーナ、避妊インプラント(ネクスプラノン)の違い
| 避妊方法 | 特徴 | 向いている方 |
|---|---|---|
| 低用量ピル | 毎日内服する避妊薬 | 毎日きちんと服用できる方 |
| ミレーナ | 子宮内に入れる避妊器具 | 月経量が多い方、子宮内挿入に抵抗が少ない方 |
| 避妊インプラント | 二の腕の皮下に入れる避妊薬 | 飲み忘れが不安な方、長期避妊を希望する方 |
ネクスプラノン(避妊インプラント)挿入タイミングと効果の発現時期
| 現在(前周期)の状況 | 推奨される挿入のタイミング | 避妊効果の発現時期と追加否認の要否 |
|---|---|---|
| ホルモン避妊法を使用していない場合 | 生理がはじまってから1日目~5日目の間 | 挿入直後から効果あり(追加の避妊対策は不要) |
| 生理6日目以降 (妊娠していないことが確実な場合) | 挿入後7日間はコンドーム等の併用が必要 | |
| 低用量ピル(混合ピル)から切り替える場合 | 有効成分(実薬)の再度の錠剤を飲んだ翌日~休薬(偽薬)期間が終わるまで | 挿入直後から効果あり (遅くとも新しいシートに入る日までに挿入) |
| ミニピル(プロゲステロン単剤) | いつでも切替可能 (休薬がないため) | 挿入直後から効果あり (前日まで毎日正しく飲んていた場合) |
| 避妊リング(IUD/IUS)から切り替える場合 | 以前のリングを抜去するのと同日 | 挿入直後から効果あり |
| 重要な注意点 生理の6日目以降や、ピルの休薬期間を過ぎてしまった後など、「直ちに効果が出ないタイミング」で挿入した場合は、挿入後丸7日間(168時間)が経過するまで、性交渉を避けるかコンドームを確実に併用する必要があります。 | ||
避妊インプラント(ネクスプラノン)の副作用と使用できない方
ネクスプラノンは非常に高い避妊効果がある一方で、黄体ホルモンを継続して放出するため、体質による副作用や、一部使用できない条件があります。
主な副作用と体調の変化
特に多いのは「月経パターンの変化」です。その他、ホルモンバランスの変化に伴ういくつかの症状が報告されています。
| 月経パターンの変化 | 生理が不規則になる(月経不順)、出血量が減る、逆に長引く(不正出血)、または生理が止まる(無月経) |
| その他の症状 | 頭痛、肌荒れ・ニキビ、体重変化、気分の変化(気分の浮き沈みなど)、乳房の張り・痛み |
挿入できない方(禁忌)
以下に該当する方は、病状の悪化や診断の妨げ、胎児への影響などのリスクがあるため、原則としてネクスプラノンを挿入できません。
- 現在、乳がんに罹患している方
- ホルモン感受性腫瘍がある方
- 重い肝臓の病気(肝疾患)がある方
- 診断のついていない原因不明の不正出血がある方
- 妊娠している可能性がある方
- 併用しているお薬によって、インプラントの避妊効果が下がる可能性がある方(抗てんかん薬や一部の抗HIV薬など)
また、持病や内服薬がある方、授乳中の方、体重やBMIが高めの方は、事前に医師へご相談ください。
料金表
基本情報
| 施術時間 | 30分程度 |
|---|---|
| 麻酔 | 局所麻酔 |
| 腫れ・内出血 | 内出血や腫れを抑えるために圧迫し、保護テープなどで処置します。 |
| シャワー・入浴 | 翌日から可能 |
| 注意事項 | 避妊インプラントを挿入した腕には、強い圧迫や衝撃を避ける必要があります。 特に挿入直後は、 ・激しい運動 ・強いマッサージ ・挿入部をぶつける行為 ・腕への強い圧迫 ・美容施術や脂肪吸引などの処置 上記は注意が必要です。 また、医療機関で予防接種、採血、血圧測定、腕の処置などを受ける際には、避妊インプラントが入っていることを必ず伝えてください。 |
施術の流れ
【二重埋没法】
施術の流れ(所要時間目安:ご来院からお帰りまで約1時間ほど)
カウンセリング当日の施術も可能です。ご希望の方は予約時にお申し付けください。

STEP 01:ご来院・受付
ご予約の日時にご来院ください。 プライバシーに配慮した待合室にて、問診票をご記入いただきます。現在の目の状態や、アレルギーの有無などをお伺いします。

STEP 02:ドクター診察・シミュレーション
医師が避妊インプラントの効果、副作用、注意点、挿入方法についてご説明します。
妊娠の可能性がないか、持病や内服薬がないかも確認します。

STEP 03:カウンセリング・お会計
具体的な施術プランや料金、術後のダウンタイム(腫れ・内出血)のリスクについて改めて詳しくご説明します。 ご不明点や不安が解消されましたら、同意書へのご記入とお会計を承ります。 (※未成年の方は保護者の同意書が必要です)

STEP 04:施術
手術室へ移動し、リラックスした状態で施術を行います。
挿入部位を消毒し、局所麻酔を行います。
麻酔の注射時に一瞬チクッとした痛みがありますが、麻酔が効いたあとは挿入時の痛みはほとんどありません。
専用の器具を使用して、二の腕の皮下にインプラントを挿入します。
処置自体は短時間(30分程度)で終わります。

STEP 05:ご帰宅・アフターケア
挿入後は、内出血や腫れを抑えるために圧迫し、保護テープなどで処置します。
そのまま歩いてご帰宅いただけます。。万が一、帰宅後に強い痛みが生じた場合は、すぐにお電話にてご連絡ください。
よくある質問
Q. 挿入していつから避妊効果が出ますか?
生理開始から5日以内に挿入すれば、その日から効果があります。
それ以外の時期(生理6日目以降など)に挿入した場合は、効果が出るまでに時間がかかるため、挿入後7日間はコンドームなど別の避妊法を併用する必要があります。ピルやリングからの切り替えタイミングについては、前述の状況別の挿入タイミング一覧をご確認ください。
Q. 挿入後に生理は来なくなりますか?
避妊インプラントを入れても、必ず月経がなくなるわけではありません。挿入後はホルモンバランスの変化により、多くの人に経血量の減少が認められます。その中で、約20%(5人に1人)の割合で完全に月経が止まる(無月経になる)方がいらっしゃることから、「避妊インプラントを入れると(誰でも)生理が止まる」といった認識が広がっていますが、すべての方の月経を完全に止めるものではありません。
Q. 生理が止まる以外の副作用や、月経の変化はありますか?
不正出血、頭痛、肌荒れ・ニキビ、体重変化、気分の浮き沈みなどがあります。
特に多いのは、挿入後3〜6ヶ月の間に起こる「不規則な不正出血」や「月経不順」です。多くの場合は体が慣れるにつれて落ち着いていきます。
Q. 生理痛(月経困難症)や過多月経の治療目的で使えますか?
避妊インプラントはあくまで「避妊」を主目的とした自費診療(自由診療)です。
経血量の減少や生理痛の軽減効果も期待できますが、これらはあくまで副次的な作用(副効用)に過ぎません。月経トラブルの改善やコントロールが主目的である場合は、日本国内で保険適用がある「低用量ピル」や「ミレーナ」の方が一般的であるため、診察時に医師より別の方法をご提案させていただく場合があります。
Q. 施術した当日はお風呂に入ってもいいですか?
当日の入浴・シャワーは原則お控えください。翌日からシャワーのみ可能になります。
傷口からの出血や内出血(青あざ)を抑えるため、外側の圧迫包帯は【24時間】外さないでください。翌日に包帯を外した後はシャワーを浴びられますが、内側に貼ってある医療用テープは無理に剥がさず、3〜5日間はそのままにして自然にめくれるのを待ってください。湯船に浸かるのはテープを外す頃からが安心です。
Q. 腕に入れたインプラントは外から見えたり触れたりしますか?
見た目にはほとんど分かりませんが、触るとはっきり分かります。
利き腕とは反対側の二の腕の内側(皮下)に挿入されます。指で軽く押すと、マッチ棒のような細くて硬い棒があるのが自分で確認できます。万が一、触ってもどこにあるか分からなくなった場合は、少し深い場所に移動している可能性があるため、すぐに医師にご相談ください。
Q. 途中で妊娠したくなった場合、3年待たずに抜くことはできますか?
はい、いつでも自由に抜去(取り出し)が可能です。
3年間の期限を待つ必要は全くありません。クリニックで抜去すれば、数日〜数週間で本来の妊娠可能性(妊孕性:にんようせい)がすぐに戻ります。