ほうれい線治療はヒアルロン酸だけじゃない?長期持続型フィラー「ピューフィリーズ」を症例で解説
こんにちは。静岡美容外科橋本クリニック院長の橋本です。
「最近、ほうれい線が深くなってきた」
「口元の影のせいで、疲れて見える・老けて見える」
このようなお悩みでご相談に来られる方は非常に多くいらっしゃいます。
ほうれい線の注入治療というと、まず「ヒアルロン酸」を思い浮かべる方が多いのではないでしょうか。
もちろんヒアルロン酸は非常に使いやすい製剤ですが、当院ではもう一つ、長期間の持続を希望される方の選択肢として「ピューフィリーズ(PUFiLLIS)」というフィラーを使用しています。
今回は、実際にほうれい線へピューフィリーズを注入した30代女性の症例を見ながら、ピューフィリーズとはどのような製剤なのか、ヒアルロン酸と何が違うのかについて解説します。
そもそも、なぜほうれい線は深くなる?
ほうれい線は、単純に皮膚表面にできる「シワ」だけではありません。
加齢に伴う皮膚のハリ低下だけでなく、頬のボリューム減少、脂肪や皮膚などの組織の下垂、骨格など複数の要因によって目立つようになります。
そのため、
「ほうれい線がある=その溝だけを埋めればいい」
とは限りません。
例えば、頬のボリュームが減少することで鼻横から口元にかけて影ができている場合、ほうれい線だけを大量のフィラーで埋めようとすると、かえって口元が重たく見えることがあります。
私がほうれい線治療で大切にしているのは、線を見るのではなく、顔全体を見ることです。
頬のボリューム、鼻横の凹み、口元との高低差、骨格、左右差などを確認しながら、「どこに、どのくらい補うと自然に見えるのか」を考えて治療します。
ピューフィリーズ(PUFiLLIS)とは?
ピューフィリーズは、97.5%の水分と2.5%のポリアクリルアミドゲルから構成される、非吸収性の注入用フィラーです。
ここが一般的なヒアルロン酸との大きな違いです。
ヒアルロン酸は時間の経過とともに徐々に体内で分解・吸収されていきます。
一方、ピューフィリーズは非吸収性のフィラーであるため、体内で分解・吸収されにくく、長期的なボリューム維持を目的として使用できることが特徴です。
当院では、ほうれい線のほか、頬や額、唇など、ボリュームを補いたい部位の選択肢として使用しています。
なぜピューフィリーズをほうれい線に使うの?
ほうれい線治療では、凹んでいる部分へ適切なボリュームを補うことで、鼻横から口元にできる影を目立ちにくくしていきます。
ピューフィリーズは親水性のゲル状製剤で、ボリュームを補う目的に使用できるため、ある程度深さのあるほうれい線を整えたい場合の選択肢になります。
特に、
「ヒアルロン酸を定期的に注入するのが大変」
「できるだけ長期間維持したい」
という方にとっては、長期持続型フィラーという選択肢があります。
ただし、長持ちする=すべての方にピューフィリーズが適している、という意味ではありません。
ここは非常に重要なので、後ほど詳しく説明します。
症例|30代女性・ほうれい線にピューフィリーズ2本


こちらは、ほうれい線にピューフィリーズを2本注入した30代女性のモニター様です。
1回の治療を行い、掲載しているAfterは施術1か月後の状態です。
まず正面から見てみましょう。
Beforeでは鼻横から口元にかけてほうれい線による影が見られます。
Afterでは、その凹みがなだらかになり、鼻横から口元にかけての影が自然にやわらいでいることが分かります。
さらに変化が分かりやすいのが斜めから見た写真です。
ほうれい線部分だけが不自然に膨らむのではなく、鼻横から頬、口元へ続くラインがなだらかになっています。
「ほうれい線を完全に消す」のが目的ではありません
この症例で注目していただきたいポイントです。
ほうれい線は、本来誰にでも存在する自然なラインです。
そのため私は、「ほうれい線を完全になくすこと」よりも、「老けて見える原因となっている影を自然にやわらげること」を重視しています。
フィラーを必要以上に入れてしまうと、口元が重くなったり、顔全体が膨らんだように見えたりすることがあります。
その方の骨格や表情を残しながら、「何cc入れるか」ではなく「どこまで整えると自然か」を考えることが大切です。
症例情報
施術名: ピューフィリーズ注入(ほうれい線)
使用量: 2本
治療回数: 1回
経過: 施術1か月後
所要時間: 約30分
施術参考料金: 107,800円×2本=215,600円(2本・施術当時)
ダウンタイム: 約4週間
副作用・リスク: 一時的な腫れ、内出血(出た場合1週間程度)、感染など
※効果・経過には個人差があります。
ピューフィリーズとヒアルロン酸は何が違う?
「それなら、ほうれい線にはヒアルロン酸とピューフィリーズのどちらがいいですか?」
という質問をいただくことがあります。
これは、どちらが優れているという話ではありません。
それぞれにメリット・デメリットがあります。
| ピューフィリーズ | ヒアルロン酸 | |
|---|---|---|
| 種類 | 非吸収性フィラー | 吸収性フィラー |
| 主な特徴 | 長期的なボリューム維持を目的に使用 | 製剤の種類が多く、部位に合わせて使い分けやすい |
| 持続 | 長期持続型 | 製剤によって数か月~数年 |
| 溶解 | ヒアルロニダーゼによる溶解はできない | 多くはヒアルロニダーゼによる溶解が可能 |
| 向いている方 | 長期的な維持を希望する方 | 初めて注入治療を受ける方や、調整しながら治療したい方など |
当院ではヒアルロン酸についても、ニューラミス、ハイアコープ、マイリなど複数の製剤を取り扱い、部位や目的に合わせて使い分けています。
ピューフィリーズ最大の特徴は「長期持続」
ピューフィリーズを選択する大きな理由の一つが、持続期間の長さです。
当院のほうれい線治療ページでは、ピューフィリーズの持続期間の目安を約5年とご案内しています。
一般的なヒアルロン酸は徐々に吸収されるため、状態を維持するためには定期的な追加注入が必要になる場合があります。
その点、ピューフィリーズは非吸収性であるため、「何度も注入するより、一度の治療効果を長く維持したい」という方にはメリットがあります。
ただし「長持ちする」ことはメリットだけではありません
ここは、ピューフィリーズを検討している方に必ず知っていただきたいポイントです。
非吸収性で長期間残るということは、一度注入すると簡単には元に戻せないということでもあります。
ヒアルロン酸の場合、多くの製剤ではヒアルロニダーゼという薬剤を使って溶解することができます。
一方、ピューフィリーズはヒアルロン酸ではないため、ヒアルロニダーゼで溶かすことはできません。
だからこそ私は、ピューフィリーズでは特に**「入れすぎないこと」と「最初のデザイン」**が重要だと考えています。
「長持ちするから、とにかくたくさん入れればいい」という治療ではありません。
長期間維持される製剤だからこそ、その方の骨格や加齢による今後の変化まで考えながら、適切な量を判断する必要があります。
初めてのほうれい線治療ならヒアルロン酸の方がいい?
これも一概には言えません。
初めてフィラー治療を受ける方で、
「まずはどのくらい変わるのか試してみたい」
「仕上がりを見ながら今後の治療を考えたい」
という場合には、吸収性で調整しやすいヒアルロン酸をご提案することがあります。
一方、
「以前ヒアルロン酸を入れて仕上がりは気に入っていた」
「同じ部位へ何度も注入する負担を減らしたい」
「長期的に維持したい」
という方には、ピューフィリーズを検討することがあります。
つまり、年齢だけで製剤を決めるわけでも、「長持ちする方がお得」という理由だけで決めるわけでもありません。
現在の状態と、どんな治療を希望しているのかによって選択します。
ほうれい線だけに注入しない場合もあります
もう一つ、ほうれい線治療で知っておいていただきたいことがあります。
それは、ほうれい線が気になっていても、ほうれい線だけに注入するとは限らないということです。
頬のボリューム低下によって上から組織が下がり、結果としてほうれい線が深く見えている場合があります。
このようなケースでは、ほうれい線だけを埋め続けるよりも、頬など原因となっている部位を含めて治療した方が自然な場合があります。当院でも、顔全体のバランスを確認して注入部位と量を決めています。
「ほうれい線が気になるから、ほうれい線に2cc」
という単純な考え方ではなく、
なぜここに影ができているのか?
を考えることが、自然な注入治療につながります。
ピューフィリーズはこんな方に向いています
ピューフィリーズは、ほうれい線などの深い凹みが気になる方、自然にボリュームを補いたい方、注入治療の効果をできるだけ長く維持したい方、ヒアルロン酸を繰り返す負担を減らしたい方などに検討できる治療です。
反対に、「まずは一度フィラーを試してみたい」「少しずつ調整したい」「元に戻せる治療を希望している」という場合には、ヒアルロン酸の方が適していることもあります。
ピューフィリーズのダウンタイム・リスク
注入治療は切開手術と比べて受けやすい治療ですが、医療行為である以上、リスクがないわけではありません。
注入後には、一時的な腫れ、赤み、痛み、内出血などが生じる可能性があります。また、感染などのリスクもあります。今回ご紹介した症例では、ダウンタイムの目安を約4週間、内出血が出た場合は1週間程度としています。
さらに、顔へのフィラー注入では血管や神経などの解剖を考慮しながら注入することが重要です。
当院では、注入する場所だけでなく、**「どの層へ、どの方向から、どの程度入れるか」**まで考えて施術を行っています。
よくある質問
Q. ピューフィリーズはヒアルロン酸ですか?
いいえ。ピューフィリーズはヒアルロン酸ではありません。
97.5%の水分と2.5%のポリアクリルアミドゲルから構成される、非吸収性のフィラーです。
Q. ほうれい線は完全になくせますか?
完全になくすことを目標にする治療ではありません。
ほうれい線は本来存在する自然なラインでもあるため、必要以上に注入すると不自然な仕上がりになる可能性があります。
当院では、ほうれい線によって生じている影をやわらげ、顔全体が自然に見える状態を目指します。
Q. 何本くらい必要ですか?
ほうれい線の深さや左右差、頬のボリューム、希望する仕上がりによって異なります。
今回ご紹介した30代女性の症例では、左右のほうれい線に合計2本を使用しています。
Q. ピューフィリーズはどのくらい持続しますか?
長期持続型の非吸収性フィラーです。当院のほうれい線治療ページでは、持続期間の目安を約5年としています。ただし、見た目の変化や満足度には個人差があり、加齢によって周囲の組織自体も変化していきます。
Q. ピューフィリーズは溶かせますか?
ヒアルロン酸ではないため、ヒアルロン酸溶解剤(ヒアルロニダーゼ)で溶かすことはできません。
このため、長期持続というメリットだけでなく、修正のしやすさまで考えた上で製剤を選択することが重要です。
Q. 現在の料金はいくらですか?
現在、当院ではしわ治療用ピューフィリーズを**1cc 107,800円(税込)**でご案内しています。今回掲載した症例の172,480円(2本)は、施術当時の参考料金です。
私がほうれい線治療で大切にしていること
ほうれい線治療というと、
「何cc入れれば消えますか?」
と聞かれることがあります。
しかし、私は「何cc入れるか」から治療を考えるのではなく、その方がなぜ老けて見えるのか、どこにできた影を整えると自然に若々しく見えるのかから考えるようにしています。
ほうれい線をゼロにすることが、必ずしも若返りではありません。
入れすぎれば顔が重たくなりますし、長期持続型の製剤であれば、なおさら慎重なデザインが必要です。
今回ご紹介した症例のように、必要な部分へ適切なボリュームを補うことで、もともとの表情を残しながら口元の印象をやわらげることができます。
ヒアルロン酸が向いているのか。
ピューフィリーズが向いているのか。
あるいは、ほうれい線そのものではなく頬など別の部分を治療した方がいいのか。
診察では、製剤を決める前にそこから考えていきます。
ほうれい線が気になってきた方、ヒアルロン酸を繰り返していて長期持続する治療を検討している方は、お気軽にご相談ください。
